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竹永 秀信; 久保 博孝; 東島 智; 朝倉 伸幸; 杉江 達夫; 木島 滋; 清水 勝宏; 仲野 友英; 伊丹 潔; 逆井 章; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.327 - 356, 2002/09
被引用回数:10 パーセンタイル:15.15(Nuclear Science & Technology)JT-60Uでは、開ダイバータ及びより先進的なW型ダイバータにおいて高パワー加熱条件下での熱・粒子制御に関する研究を行ってきた。熱・粒子制御は、(1)ダイバータ板への熱負荷低減、(2)主プラズマの密度制御、(3)ヘリウム排気、(4)不純物低減の観点から重要である。本論文では、JT-60Uのこれまでの研究成果に関して、(1)-(4)に着目して報告する。(1)スクレイプオフ層及びダイバータでの熱・粒子輸送の理解をもとに放射損失ダイバータを開発してきた。これは、ITERのダイバータ設計に大きく貢献した。不純物入射により、高密度・高放射損失・高閉じ込めを得た。(2)粒子閉じ込め時間のスケーリングを中心・周辺供給粒子の2つの閉じ込め時間を用いて導出した。また、高磁場側ペレットを用いて、高閉じ込めが得られる密度領域を拡大した。(3)W型ダイバータにおいて、ITERでの要求値を満足するヘリウム排気性能を実現した。(4)パフ&ポンプ効果により主プラズマ内の不純物を低減出来ることを示した。の発生を考慮して化学スパッタリング率を導出した。また、不純物輸送コードの開発を行い、実験結果をよく再現できることを示した。
逆井 章; 竹永 秀信; 久保 博孝; 秋野 昇; 東島 智; 櫻井 真治; 玉井 広史; 伊丹 潔; 朝倉 伸幸
Journal of Nuclear Materials, 290-293, p.957 - 961, 2001/03
被引用回数:12 パーセンタイル:64.73(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60UではW型ダイバータの外側に新たに排気溝を設け両側排気に変更し、99年2月から実験を開始した。実効的な排気速度はガスを真空容器内に満たす方法により評価し、両側排気への改造により25%増大した。両側排気に変更後、粒子排気率が著しく改善し、ELMyHモードプラズマでの効率的なヘリウム排気を実現した。Lモード及びHモードともに粒子排気率は内外側ギャップ(内/外側ストライクポイントと内/外側排気溝までの距離)に強く依存することがわかった。両側ストライクポイントを両側排気溝に近づけたELMyHモードプラズマでのヘリウムの滞留時間(実効的な粒子閉じ込め時間)は0.4sであり、97年の内側排気の0.67sに比べて、ヘリウム排気性能は40%向上した。ヘリウムの滞留時間/エネルギー閉じ込め時間の比は3(97年は4)を達成し、両側排気による大きな改善が見られた。
逆井 章; 竹永 秀信; 東島 智; 久保 博孝; 仲野 友英; 玉井 広史; 櫻井 真治; 秋野 昇; 藤田 隆明; 朝倉 伸幸; et al.
IAEA-CN-77 (CD-ROM), 9 Pages, 2001/00
JT-60Uでは、W型ダイバータの外側に新たに排気溝を設け両側排気に変更後、両側ストライクポイントを両側排気溝に近付けた配位で高い電子密度領域で粒子排気率を内側排気の場合の2%から両側排気の4%に向上させた。同様なダイバータ配位でELMyHモードプラズマでのヘリウム排気性能を調べた結果、ヘリウムの滞留時間は*~0.4sであり、97年の内側排気に比べて40%向上し、両側排気による大きな改善が見られた。また、先進トカマク運転シナリオとして注目される負磁気シアプラズマのヘリウム排気を調べた。ガスパフやペレット入射を用いて、ダイバータ領域での粒子リサイクリングを増大させ、ヘリウム排気効率を上げた。加えて、ガスパフと有効なダイバータ排気によって生じる強制フローによる炭素不純物の低減が内側排気に比べて、両側排気の方が大きいことがわかった。
石田 真一; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 39(9Y), p.1211 - 1226, 1999/09
被引用回数:40 パーセンタイル:75.12(Physics, Fluids & Plasmas)W型ダイバータへの改造後のJT-60Uにおける高性能化実験に関するレビュー論文である。プラズマ性能は、負磁気シアと高プラズマ領域にて大きく改善された。負磁気シアでは、等価核融合増倍率Qが世界最高値1.25を記録した。定常化に向けてLHとNBを組合せ、負磁気シア配位を保ったまま、内部輸送障壁を6秒間維持した。輸送解析は、内部輸送障壁の近傍で熱・粒子拡散係数が顕著に低下し、強い径電場シアが形成されていることを示した。W型ダイバータの効果として、中性粒子逆流や化学スパッタリング効果の低減を予測通り観測した。N-NBI実験では、駆動電流分布を実験的に評価し、高エネルギービーム入射による電流駆動の理論的予測を実証した。N-NBIはTAEモードを励起したが、高速イオンの損失は顕著ではなかった。定常高性能化を進めた高Hモード実験では、高三角度配位にてQ~0.16を4.5秒間維持することに成功した。
鈴木 慎悟*; 清水 勝宏; 久保 博孝; 白井 稔三; 逆井 章; 杉江 達夫; 朝倉 伸幸
Europhysics Conference Abstracts, 23J, p.477 - 480, 1999/00
ヘリウム排気のメカニズム、及び周辺プラズマにおけるヘリウムの挙動を明らかにするため、モンテカルロ法に基づいたヘリウム輸送コードの開発を行った。この開発においては、不純物輸送コードIMPMCをベースに、ヘリウム原子やイオンに対する衝突素過程の最新データを取り込んで行った。取り込んだ素過程は、電子衝突による電離と再結合、ヘリウム同士の衝突による電荷交換反応、重水素イオンと中性ヘリウムの衝突による弾性散乱などである。計算の結果、HeとHeの密度分布が互いによく似ていることや、ストライク点からの中性ヘリウムのフラックスが顕著に見られることがわかった。またJT-60UにおけるHeI(668nm)の分光観測との比較により、ダイバータ板におけるヘリウムの反射過程がかなり寄与していることがわかった。
逆井 章; 竹永 秀信; 細金 延幸; 櫻井 真治; 秋野 昇; 久保 博孝; 東島 智; 玉井 広史; 朝倉 伸幸; 伊丹 潔; et al.
Journal of Nuclear Materials, 266-269, p.312 - 317, 1999/00
被引用回数:18 パーセンタイル:77.26(Materials Science, Multidisciplinary)ITER等の将来のトカマク型核融合炉では、D-T反応で生じるヘリウム灰の制御及び連続的な排出が重要な課題となる。JT-60Uでは、ポンプ付きのW型ダイバータに改造し、排気用クライオポンプをアルゴンフロスト化して、ヘリウム排気実験をできるようにした。ELMy Hモードプラズマ中に6秒間のヘリウムビーム入射を行い、ヘリウムの排気性能及び輸送について調べた。その結果、ヘリウムビーム入射開始後1.2sで粒子補給と排気がバランスして、ヘリウム濃度4%の状態を定常的に維持するのに成功した。排気性能の目安となるヘリウムの残留時間/エネルギー閉じ込め時間の比は4となり、ITERで要求されている比10を大きく下回る良好な排気性能が得られた。また、ヘリウム濃縮係数は1.1が得られ、ITERで要求されている0.2を大きく上回り、ITERの設計を大きく支持する結果が得られた。
久保 博孝; 竹永 秀信; 熊谷 晃*; 東島 智; 鈴木 慎悟*; 杉江 達夫; 逆井 章; 伊丹 潔
Plasma Physics and Controlled Fusion, 41(6), p.747 - 757, 1999/00
被引用回数:20 パーセンタイル:55.12(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uのダイバータ領域におけるヘリカル原子の挙動を調べるために、高分解能分光器を用いてHe Iスペクトル線(667.82nm)のドップラー・プロファイルを観測した。その結果、ダイバータプラズマが低温になると、ダイバータの上流部において、ドップラー幅から導いたヘリウム原子の温度が0.2eVから1.5eVに増加することを見いだした。この現象を調べるためにプロトン衝突による弾性散乱を考慮した中性粒子輸送コードを開発し解析することにより、これはプロトン衝突による弾性散乱に起因することを明らかにした。また、この弾性散乱の効果によって、ヘリウム原子のダイバータから主プラズマへの侵入する確率及びダイバータ排気溝に入る確率が30%大きくなることを指摘した。
飛田 健次; JT-60チーム
Plasma Physics and Controlled Fusion, 41(SUPPL.3A), p.A333 - A343, 1999/00
被引用回数:28 パーセンタイル:65.21(Physics, Fluids & Plasmas)ITERの運転モードとして採用されているELMy Hモードと負磁気シアモードについてJT-60Uでの実験結果をまとめた。ダイバータをW型に改造した後のELMy Hモード実験では、高閉じ込めの長時間維持とヘリウム排気の観点からW型ダイバータの有効性を実証した。しかし、エネルギー閉じ込め性能に関しては、ダイバータ改造前と同じように、高密度領域での閉じ込め劣化が見られた。負磁気シアモードの実験では、放電の最適化を進めた結果、等価DT核融合エネルギー増倍率で世界最高値となる1.25を得た。また、負磁気シアプラズマでの粒子輸送を調べる実験により、内部輸送障壁のできる領域には内向きのピンチ粒子束が存在することを明らかにした。さらに、負磁気シアプラズマをICRF加熱すると、加熱分布が中空状になる現象を見いだした。
白井 浩; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 5(5), p.1712 - 1720, 1998/05
被引用回数:43 パーセンタイル:77.9(Physics, Fluids & Plasmas)本年6月に完了したJT-60Uのダイバータ改造後の実験の進展について報告する。ダイバータ排気付きW型ダイバータに改造したことにより、不純物制御、熱制御性能が向上した。ヘリウムビーム入射による灰排気模擬実験では、ダイバータ排気により、プラズマ内の滞留ヘリウムを低濃度に抑えることに成功した。またELMy Hモード実験では、9秒間に及ぶ積算203MJのNBI加熱エネルギーにもかかわらず、重水素のリサイクリングや炭素不純物の増加を伴うことなく、良好なエネルギー閉じ込め改善度1.7を保持した。負磁気シア配位プラズマでは、内部輸送障壁形成後のNBIパワー抑制により、ディスラプション発生を回避し、4秒以上エネルギー閉じ込め改善度1.7のELMy Hモード状態を維持した。また負磁気シア配位で、内部輸送障壁において発生するドリフト波不安定性が、プラズマ回転による電場形成で抑制されることを明らかにした。
濱松 清隆; C.S.Chang*; 滝塚 知典; 安積 正史; 平山 俊雄; S.Cohen*; 谷 啓二*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 40(2), p.255 - 270, 1998/00
被引用回数:9 パーセンタイル:31.98(Physics, Fluids & Plasmas)イオン・サイクロトロン周波数帯(ICRF)の波動入射によりヘリウム・イオンを加熱し、トロイダル・リップル磁場捕捉粒子として排気できる可能性について数値解析を行った。プラズマ周辺領域において、He(+2)イオンと中性重水素の荷電交換を行わせHe(+1)とし、再電離するまでにICRF波で加熱しリップル捕捉粒子とし、リップル損失させることでヘリウム灰を選択的に排気する。具体的には、ICRF加熱とリップル磁場効果を取り入れた案内中心軌道追跡モンテカルロ・コードを用いてITER級の実形状のトカマク配位で数値シミュレーションを行った。解析の結果、排気に必要な波動パワーは10~15MWであり、また、真空容器外へ排出するためのダクトのサイズは1.3m0.7m程度であることを示した。
杉原 正芳; T.Amano*; D.Boucher*; Y.Igitkhanov*; G.Janeschitz*; H.D.Pacher*; D.Post*; P.Yushmanov*
Journal of Nuclear Materials, 241-243, p.299 - 304, 1997/00
被引用回数:11 パーセンタイル:65.7(Materials Science, Multidisciplinary)ITERダイバータプラズマにおいて、アタッチからディタッチ状態への遷移を簡単な零次元モデルでモデル化した。これを用いてITERがディタッチ状態となる運転領域(上流密度、熱流束)を明らかにした。また簡単化モデルを主プラズマ輸送コードの境界条件に用いてヘリウム蓄積量をポンプ速度の関数として求めた。現在の設計ポンプ速度(200m/s)では蓄積量が10%程度となることが示された。
嶋田 道也
プラズマ・核融合学会誌, 72(9), p.858 - 865, 1996/09
同誌の小特集「最近のダイバータ研究の動向」の第2章。ダイバータ設計は、ITERの設計の中でも困難な部分が多いとされてきたが、ITER物理R&D及び工学R&Dの進展により設計が進捗し、その成果は中間設計報告書にまとめられた。本論文は、中間設計報告書までのダイバータ設計の概要。ダイバータの最大の課題である熱除去は、ダイバータ板に熱流束が到達する前にプラズマによる放射冷却によって行う方式が最も有望とされている。放射冷却を強くしたときの主プラズマの閉じ込め特性の改善、及び放射冷却に必要な高密度プラズマの生成が課題である。ディスラプション時の電磁力も大きな課題であるが、最近JT60Uにおいてディスラプションの回避・緩和法が進展し、解決の見通しが得られた。
柴沼 清; 大楽 正幸
核融合研究, 66(6), p.682 - 699, 1991/12
水素ガス排気用JT-60NBIクライオポンプを改造し、ヘリウムガス排気用大容量クライオソープションポンプを開発するために、まず、ヘリウムガスの吸着媒としてSFガス凝縮層を使用した小型クライオソープションポンプを用いて、ヘリウムガス排気に関する基礎特性の取得を行った。次に、これらの実験結果を基に、NBIクライオソープションポンプを構成する6個のモジュール各々について、各モジュール前面の圧力を考慮して各排気面のヘリウムガスに対する有効吸着係数を決定し、モンテカルロ法にてNBI真空容器内の圧力を求めるための計算を行った。その結果、解析結果は実験結果と比較的良い一致を示した。これにより、ヘリウム排気用大容量クライオソープションポンプを開発するためのヘリウムガスに対する排気特性評価手法を確立することができた。
JT-60チーム
JAERI-M 90-066, 295 Pages, 1990/03
JT-60の1989年における実験結果のまとめ・速報である。この期間において、JT-60は1)分布制御によるプラズマ閉じ込めの改善、2)定常運転の研究の2点に重点をおいて実験を進めた。
藤沢 登; 杉原 正芳; 斉藤 誠次*; 嶋田 道也
JAERI-M 82-173, 43 Pages, 1982/11
このレポートはIAEA INTOR フェーズIIAワークショップへの国内検討報告書の第VI章に相当するものである。フェーズIIAではポンプリミタとダイバータとの比較検討をするために、ポンプリミタに重点を置いて検討を進めた。ダイバータ/リミタの排気特性、ダイバータでの放射冷却などについての検討も発展させた。
嶋田 道也; 永見 正幸; 伊尾木 公裕*; N.H.Brooks*; R.Groebner*; R.P.Seraydarian*; 横溝 英明; 出海 滋*; 新谷 吉郎*; 吉田 英俊; et al.
JAERI-M 9470, 9 Pages, 1981/04
核融合反応で生成するヘリウム灰の排気にダイバータが有効であることが実験的に示された。ダブレットIIIの真空容器中にヘリウムをガスパフで入射し、電子密度の上昇からプラズマ中のヘリウム量を測定し、ダイバータ付近のヘリウムの分圧を質的分析器で測定した。その結果次の結論を得た。1)ダイバータ付近のヘリウム分圧は、主プラズマが高密度になる程増加し、ヘリウムのプラズマ中の混入量を電子密度の1%に押えても、ダイバータ付近のヘリウム分圧が3.610Torrに達する。2)ダイバータなしの放電では、ヘリウム分圧はダイバータありの場合の約十分の1である。3)ダイバータ付高電子密度プラズマでは、ヘリウムがダイバータ付近で水素に対して濃縮される。